遠く離れたところにいるので、書けない。
朝、目覚めると何も変わっていない。あたりまえだ。それなのにどうもおかしい。自分でもどこがおかしいのか分からない。しかし、おかしいのは真実なのだ。矛盾が矛盾でなくならない限り、これは解決しないように思われた。妻に訊いても「いつもと同じよ」と…
朝、目覚めると何も変わっていない。あたりまえだ。それなのにどうもおかしい。自分でもどこがおかしいのか分からない。しかし、おかしいのは真実なのだ。矛盾が矛盾でなくならない限り、これは解決しないように思われた。妻に訊いても「いつもと同じよ」と…
二つの口に一つの耳があった。歌は二重奏を奏で麗しかったが、喋りは聞くに耐えない。一方の口は肯定するも、もう一方が否定をするのだ。耳は相棒を失い失望のあまり、耳穴の中に入り込んでしまった。
台風がくるよ!さあ!倒れるまえに倒れてしまいましょう!さあ!さあ!あなたもうつ伏せになって!いまどきは立つよりもうつ伏せになる方がいいのだから…
人生は、ちょっと苦しみちょっと楽しむためにある。
感動は計算できない。
女の要求はこうだった。鼻の穴を塞ぎたいというのだ。だって子豚さんみたいじゃないの!と声を荒げて言う。
わたしは死んだ。しかし実験場での死亡は失敗であったから、またやり直さなければならなかった。
空気は読めないが、翻訳することならお手のもの。
あまりに暑いので、夏を売ることにした。
時間が、万人に等しく流れているとはとても思えない。私にとって、時間は光速よりも速い。時間の方を極度に凝視しているからか?まるで時間が主人で、私は時間の僕のようだ。直線的に、密度を一定に保ち進むという一般の時間の概念はおそらく誤りだろう。普…
頑固なまでに言葉に固執する。言葉は魔法だ。言葉が人をつくる。心は言葉から成っている。また言葉は厄介な症状に転換されるし、症状自体が言葉を話すこともある。言葉は物理的に肉体に影響を与える。あらかじめあるものではなく、湧きでるものこそ言葉の特…
時間に愛情を注ぐ。時間を丁寧に使う。時間を精密に使う。時間を粗野に使わない。乱暴に時間を使えば、時間も乱暴を返却してくる。あたかも骨董品のように時間に接する。繊細かつ正確に時間を扱う。時間を使うなんて傲慢な言い方で、時間をありがたく使わせ…
「何をしているの?」というから「考えている」と返すと、「何を考えているのか?」とまた質問されるが、このような問いを持つものは、そもそも考えるということの意味がよく分かっていないものと思われる。思考する習慣もないからこういう。しかし、疑いな…
なにも期待しないで欲しい。なんでもないんだから。具体的に生きるなんてことは到底無理だ。空想の羽根だけが飛翔する。これでは役にたたぬ。わたしがわたしの穴を掘りその中に入り込んでいては自滅するのが関の山。夜の住人から昼の住人になろうと血の努力…
目の前に壁がある。どんな壁か正体は知らぬが、壁があることだけは揺るぎない事実である。この壁のために私は自由を制限されている。壁は、私が育つように育っていった。謂わば私の子供ともいえる。ときに壁の方からこちらにメッセージを送る。メッセージに…
魂は家族単位の中で循環し、トレードオフの関係にあるらしい。つまり、家族の総量は一定であるが、ときに一人に魂の量が集中することがある(必ずしも家族全体のバランスが保たれている訳ではない)。残された家族の魂はあたかも何者かに抜き取られたかのよう…
真面目に一生懸命にやっているが、それが無意味になる可能性がある。仕事は世の趨勢によって価値を変えるから。時代の空気に適応する努力は必要不可欠である。環境が悪くなれば、悪いなりに適応することが、時には有効になる。悲観しても仕方がない。そうな…
言葉ほど不思議なものはない。言葉と身体は接触している。境界線は見出せない。吸収するというよりは、既に身体に内包されている言葉!言葉以外の言葉は無数にあるが、その一つに立ち居振る舞いがある。仕草は言葉に匹敵する。言葉に駆られて希望を捕まえる…
人は重力に逆行するような現象に驚愕する。
人間の指した将譜と人工知能の将譜との違いは、前者が音楽であるのに対し、後者は雑音であること。
たとえ空間時間や地位が一致しても充分ではない。「こころ」と「こころ」の繊細な一致がなくては恋人同士にはなり得ない。古きものの「こころ」に共鳴する「こころ」がある。「こころ」は時空を超えて満たされる。「こころ」は同じような「こころ」には磁石…
点を大きくすることに意味はない。他者という名の点を発見することに意味がある。だだし、この他者の点からは、次の新たな他者へと跳躍の連続でなければならない。理解不可能なものこそ他者であるから、他者から他者への道は、不可能から不可能への道と同様…
そう!あなたのことです。
問われるまで、問題は発生しない!問いが問題を明らかにする。問題と問いとは繋がっている。問題の一部は問いに含まれる。難問を解決するヒントは、まず問いの仕方を明確にすることである。その難問にふさわしい問いかけをしなくてはならない。だが問いかけ…
人間と人間の間に問題があって、それが二者の距離を隔てているならば、その問題の解決策を提示することで、距離を縮めることができる。
学びとは、積み重ねるのではなく、自己の根本法則を、その都度変換することである。根本法則とは、それを原因として自己を動かしているものである。
計算すればするほど、人生は味気なくなる。計算は機械に任せて、我々はもっと心を使うようにしよう!計算からもっとも遠いものが人間の本質であるに違いない。
AIは、冷たく固定した問題は解くことができるかもしれないが、温かく動く問題に対してはお手上げだ。