静止する存在はない

「動き」が、その存在を知らせる。静止しているものは、存在を確かめることができないから存在しないと見做される。仮に、静止しているものが存在していると思うのなら、それは観る視線が動いているからに過ぎない。また「動き」とは相対的なものでもあるから、同時に動いている中に住んでいれば、「動き」に気づくことはできない。「動き」とは差のことで、二者以上からなる差異のことである。差異こそ存在の萌芽である。