悪魔から学ぶ

病気にはドグマがある。それは治療されるべき対象として見られるという先入観である。この世に意味のないものは存在していないはずだから、病気にも意味がある。しかし、決まってそれは悪者とされる運命にある。確かに人間にとっては少なくとも悪であるように思える。医師にとって、病気は治療される対象でしかない。病人にとっても厄介なものとされる。ここで、病気にも治療対象以外の積極的な意味はないのか?と敢えて問う。せっかく見えるかたちで存在しているのだから治療のドグマからやや距離をおき、病気の存在意義について再考してもいいだろう。メカニズムではなく存在理由を。それは人間を考えることに直結している。意味を解明する努力が何か別の問題の解決に貢献するかもしれない。病気と死は親戚の関係にあり、未だ死の前段階のもの。死は治療不可能であり、医師にとっては職業的に意味のないものだとしても、病気を治療されるだけの対象とするにはもったいない。悪魔からも学ぶべきものはある!