平等院鳳凰堂

豪華絢爛たる鳳凰は、天空を泳ぐように優雅に飛んでいた。そのゆっくりとした空中の舞踏は、あたかも哀れな下界を憂う強靭な意志を感じさせる。

突然「我は平等に散る!」と号して、鳳凰はセピア色の微小な粒に変容しながら己を殺した。

その名残は、万人が手にとって触れるように、10円玉に刻印されている。