冬の感情と夏の感情

メランコリーは特異な才能の前駆症状のようだ。あるいは輝かしい業績を残したあと遅れて、メランコリーになることもある。思考とメランコリーは同じ紙に書かれた表と裏である。紙を破ればどちらも破れる。メランコリーは症状であり、マイナスの評価を受ける。もっとも思考も症状である。生産的という側面からプラスの評価を受けるものの両者のエネルギーの源泉は同じもの。心的エネルギーは一定で変わらないが、その流動性によって偏りが生じる。メランコリーは鉛のように重い。一旦感情が重くなり、解放される瞬間に輝かしい思考が飛翔する。