シンプル

あらゆる具体的なものに抽象化を施し、一般化する。日常は毎回、同じような事柄で溢れている。例えば、学生の会話は同じような話題を繰り返す。会話の始まりと終わりに変化がない。会話のための会話になってしまう。学生の会話の全貌は一般化できる。会話の範囲は閉じており、ある中心の周りを恰も人工衛星のようにぐるぐる回る。中心に贅肉が付くと、一見意味あるお喋りがなされたように見えるのであるが、中心は一定不変であり抽象化されたモデルに集約できる。複雑そうな雑音から普遍的なものを抽出して一般化できれば、無用な繰り返しを回避され、次なるステップに応用可能になる。膨大な情報と知識を凝集して、規則と法則を見いだす。言わば、バラバラで無秩序の中に一定して変わらないものを発見する。一般化とは、無用なものをとことん削ぎ落とすことによってなされる。純粋なものはシンプルである。シンプルこそが真理の条件である。