目的地の名が…

目的地が絶えず名前を変えるので、その度にわたしは路線を変更することを強いられる。せっかく長い道のりを経たのに、目的地の大幅な変更に伴い、同じ道を引き返すこともしばしばだ。頭がいったん決定した後も変更はなんの前触れもなく履行される。しかし不満を表明したところでどうにもならない。目的地の決定に関与しているのは、わたしの頭だけなのだから……わたしは心配になり少し頭を振ってみる……「またか!」目的地の名前が新しく更新された。更新の素早さには、溜息さえ受けつけない執拗な頑固さが感じられる。そしてわたしは再び新しい目的地に向かって重い足取りで歩きはじめる…