主体は自己にはない!

知恵とは、新しい世界に対する対応の仕方と言える。その対応は、決して固定された一方通行のものではなく、世界そのものからその都度、新たに考えだされた柔軟性に満ちたものとなる。自己から出発するというよりも、自己が関わっている世界の把握から、遠回りを経て自己に返ってくる。自己に戻るが、自己から出たものではない。あたかも星座の分析から地球を判断するのに似ている。自己の環境理解を常に新しいものとし新しい認識の仕方により自己が決まる。認識方式を状況に応じて、その都度変化させることこそ知恵に至る道である。主体は自己にはない!